Montbalnc

「人に渡すペンは良い物を使いなさい。」

これは、かつて私が働いていた店の上司から贈られた、今も心に残る言葉です。当時はその意味を十分に理解できずにいましたが、サービスの現場に立ち続ける中で、年々その重みを実感するようになりました。

僕たちサービスマンが自身のペンをお客様にお渡しする瞬間、それは伝票へのサインをお願いする時です。コロナ禍で非接触型決済が普及した今でも、ペンを手渡す場面は少なくありません。その一瞬に、私たちの姿勢や心配りが現れます。良い店か悪い店なのかも現れてしまいます。

かつては「書ければ何でも良い」と思っていた僕ですが、上質なペンを差し出すことで「きちんとしていますね」「良いものをお使いですね」と声をかけていただく機会が増えました。品格ある道具は、サービスマンとしての矜持やお客様への敬意をさりげなく伝えてくれるのです。

一流のビジネスパーソンは、細部にまでこだわるとよく言われます。実際、僕の愛用するMontblancのボールペンを手にしたお客様が、「私も同じものを使っています」と見せてくださることもあります。そんな時、心の奥に小さな誇りと、温かな共感が生まれます。

そんな僕の身近な相棒。Montblancのボールペンは一生かけて使い続けたい逸品です。

少し見えにくいかもしれませんが、このMontblancのペンには、僕の名前「T.Watanabe」が刻まれています。
特別に「W」の文字をワイングラスのモチーフでデザインしていただきました。ワインに携わる者として、世界に一つだけのこのペンは、私の分身であり、仕事への投資でもあります。

世界中を探しても、この「W」を持つのは僕だけだと思います世界の渡辺謙だってこのWにたどり着くことはないと思います。笑
そんな唯一無二の誇りが、日々のサービスに自信と彩りを与えてくれます。

小さな道具へのこだわりは、やがてお客様への大きな信頼へとつながります。
これからも現役でいることにこだわるサービスマンとソムリエとして、これからも品格と心配りを大切に、お客様との一期一会を紡いでいきたいと思います。