飲食業やサービス業のことを書いていたはずが、いつの間にかぶっちぎりで人気の記事になりました。
どうもサービスマン渡邉司です。
更新頻度が少なくなったくせにアクセス数とか気になるので、Google analyticsで色々見ているのですが
不器用のススメ
や
敏感力
などの僕個人の弱さを出した記事のアクセスが伸びてきていて嬉しいのと同時に
誰しも人に言えないような悩みがあって当然よね。と改めて思うことができておりますありがとうございます。
さて、そんな中でもぶっちぎりアクセスの多いこの記事
Twitterのフォロワーさんの中にはこの記事を見て良い靴を買った人もいるとかいないとか…。
改めて言わせてください。
Hôtel de Tsukasa記事別のアクセスランキング第一位
「高い靴を履きなさい。」
ありがとうございます。
もう何度加筆したかわかりません。と言うか加筆しすぎて何を加筆すれば良いのかわからなくなってきました。笑
それでも加筆します。何故かというと飲食業以外のビジネスパーソンも見ているから。
昨年ブログの更新をしていなかった時もアクセス数などは見ていたのですが、この記事は変わらず検索して見てもらえていたそうです。ありがたや。
自分の専門領域(飲食業やサービス業)以外の人にも見てもらえる嬉しさを感じつつ、そのままファンになってもらう難しさを痛感しております。
今後はサイト全体もそうですが記事もしっかりと作り込んでいかないといけませんね。
そんな感じで手前味噌ですが、この記事には若干の影響力があるということでお許しください。
あと拡散してください。笑
どうぞよろしくお願いいたします。
さて本題にいきましょう!
靴にまつわる映画の思い出。
靴といえば色々思い出があるのですが、みなさん「プラダを着た悪魔」って映画知ってますかね?
ガッツリ靴について出てくるわけではなく、華々しいファション業界全体の映画なんですけど
いつ見ても楽しめる僕のおすすめ映画の一つです。
今は見れなくなってしまいましたが、以前はサブスクでも見ることができたんですよね〜。
このプラダを着た悪魔、僕個人の仕事観にも非常に大きな影響を与えてくれた映画なんです。
ざっくりいうとファッションに全く興味のないアン・ハサウェイ演じる主人公がファッション業界の出版社へ就職して頑張る話なんですけど
メリル・ストリープ演じる会社のめっちゃ偉くて怖い人が出社する時のみんなの慌てようがすごいすごい。
ファッション映画とはいえ、普段からピンヒールを履いているわけではありません。きっと電車通勤している人もいるでしょうからヒールはオフィスに置いて、出社したら履き替える感じ…なんでしょうけど
ほんの数分前までスニーカーを履いてデスクワークしていたのに、メリル・ストリープがやってくるから急いでピンヒールやおしゃれな靴に履き替えるシーンが特に印象的だったのを覚えています。
ちなみに全然関係ないんですけど、皆さんピンヒールで踏まれたことあります?
もしかしたらあの…そういったのがお好きな方はあるかもしれませんが…
僕は一度満員電車の中でピンヒールで踏まれたことあるんですよ。これが痛いのなんのって。
んだよこのやろうと思いましたが、菜々緒さんのようなとてつもない美人だったので許しました。
むしろ喜びました。
さ、そんな靴の話、女性だけでなく全ての大人に捧げます。
毎度毎度加筆しているのでこの入りは変わりませんが、初めましての方向けにもなっておりますのでご了承ください。
突然ですが
皆さん高い靴を履いてますか?
有名なブランドが出している高級なスニーカー(一足10万円)とかもありますが、高い靴と言えばやはり革靴。
特にその中でも皆さんが知っているような有名なブランドと言えばフェラガモやサントーニ、ジョンロブやベルルッティですかね?一足10万円〜とんでもない値段まで様々。
高い女性の靴と言うとやはりルブタンでしょうか?あの赤いソールは何度見ても美しい。ぜひ踏まれたい。。。
今あげた靴はとんでもなく高いので、持っている人がいたら舐めさせてください踏んでくださいと言いたいのですが、一旦置いておいてと。
いくらなんでも高い靴を履きなさいと書いているからと言って、10万円以上するような靴を履きなさいと言っているわけではありません。
ですがもしかしたら男性は多分一度は聞いたことがあるでしょう。
ビジネスマンなら高い靴を履くべき
みたいな記事読んだことありません?
僕はこの記事を読んだ時
高い靴ってあれでしょ?上記に出ているようないわゆる有名なブランドのやつでしょ?みたいな。
なんか靴の先がとんがったちょいワルオヤジ的なあれでしょ?みたいな。
とにかく超偏見で見てました。笑
それまでは靴なんて疲れなくて軽くて柔らかいやつがいいよね。立ち仕事だし。
という感じで気にも留めていませんでした。
そんな僕がどうして今「高い靴を履きなさい」なんて書いているのか。それを書いていこうと思います。
こんな記事を書いている以上僕自身が使っている靴の値段も書いておこうかと思っていますが
今仕事で履いている靴は一足5万円です。国産の革靴です。確か大阪のメーカーだったかな。
一足5万円…安いという人もいれば高いという人もいますよね。
今の僕にとってこれは非常に安いです。履き始めて今年で6年目に突入しました。
6年も経っていれば十分元が取れたと思っていますし、まだまだ現役ですので安い買い物したなと言えますが、買う時はやっぱり躊躇しました。
安いと思っても値段が値段ですからね。「はいはいオッケーこれにします」なんて安易に言えません。
いわゆる有名ブランドの靴も試着しましたし「ちょっと考えさせてください」て言って買わずに帰ったこともあります。笑
それでも5万円の靴が僕にとって安い理由をお話ししましょう。
僕ら飲食業や営業で外を歩いている人はひたすら立って動いて仕事しています。朝から晩まで大体10時間近くは動き回っているわけです。
長時間労働ですから、歩きやすくて疲れにくい靴でいいわけです。雨の日も革靴を履かなくてはいけませんからね、ウォータープルーフであればなおよし。みたいな。
僕は飲食業ですから洗い物もしますし、掃除もしますから汚れます。水も撥ねるし洗剤だってつく時もあります。
高い靴なんて履いて汚れたら勿体無いじゃん。
なんて思っている方。僕も昔思ってました。
そんな僕が今や5万円の靴を履いてこんなことを書いているのですから不思議なものです。
その考え方に至ったのもやはりお客様。
下っ端で修行の身だろうが、役職がつこうが独立をしようが…どんな立場にいても僕らはお客様から学ぶことばかりだと実感しています。
そのお客様に出会ったのは僕が26歳で銀座のイタリアンレストランで働いていた時のことです。
ある日いつも通り仕事をしていたんですけど、ディナーで接待を担当することがありました。
某一部上場企業の会長の接待。食べる料理もお店の一番高いコース。もちろん飲むワインもかなりの値段なわけです。
どんな人なんだろう…怖い人だったら嫌だなと思いながら準備をしていると、なんと一番早く会長が到着しました。との情報が。
おいおいマジかよ…早くないか?
接待の担当は僕ですから、もちろん挨拶をするために部屋に向かいます。
「本日はありがとうございます。担当いたします〇〇です。」と簡単に挨拶。するとその会長は
「〇〇さん、君は靴は好きかい?」と聞いてきました。
一瞬時間が止まりました。え、靴?靴?靴だよな?なんだそりゃと思い
「靴ですか?あまりこだわりはありませんね」と本当に思ったことを伝えました。
もちろん好きなブランドはありましたし、いつかは買ってみたいな〜なんて憧れているブランドもありました。
ですが、そこまで好きかというとなんとも言えません。たくさん動くのでとりあえず歩きやすくて疲れない靴であればなんでも良いというのが本音です。
その心の声すら会長は見抜いていたのでしょう。
「サービスマンとして生きていくなら靴はいいものを履きなさい。あとスーツとシャツもね」
と言いました。
「え、なぜですか?」
と聞こうとした途端会長以外の方も来店したのでその時は聞くことはできませんでした。
接待が始まっても会長に言われたことが頭から離れず、どうしてそんなことを言ったのだろうとずっと考えてました。
会長が席を離れた瞬間に聞きに行こうかと思っていたくらい頭から離れませんでした。
足元を見ると確かに会長をはじめ皆さん良さそうな靴を履いています。
革にそこまで詳しくない僕でも、革の艶や光の跳ね返り方から伺えるにとても高価なものであるのは間違いありません。
でもこの人たちはお金がたくさんあるからなぁ。くらいにしか思ってませんでした。
順調に接待が終わり、帰りのタクシーなどの準備も完了。
もし余裕があれば改めて会長に真意を聞きたいなと思って待っていると
会長からこちらに来てくださり
「〇〇さん、また来るからね。今日はありがとう」とだけ言われサッと帰られました。
あーチャンス逃したなぁなんて思っていたんですけど
会長に言われたことがずっと頭に残り続けその日の営業はモヤモヤしたまま終了。
家に帰っても言われたことが頭から離れず、次の休みは靴を買いに行こうと決めていました。
それからというもの
「高い靴 ブランド」
「高い靴 メンズ」
「靴 有名ブランド」
とグーグル先生に協力を仰ぎ、色々と紳士靴について調べていました。
ひたすら調べてみると共通の言葉に行き当たります。
「良い靴はどんどん自分の足に馴染んできて身体の一部のようになる」
僕は野球を長くやっていたのでこの言葉の意味はすぐに理解できました。
野球に使うグローブやスパイクもきちんと手入れをして大事に使うことによって自分の身体に馴染んできます。
嘘のように聞こえるかもしれませんが、本当に肌に吸い付いているかのように自分の身体の一部になるんです。道具って。
逆に他の人の道具に触れると違和感しか感じないんですよ。
なので新しいグローブとか買うときは先ず長い時間手にはめて感覚を身体に覚えさせることからやっていました。
ちなみにあのイチロー選手は自分の道具は他の選手にも触らせないほどその感覚を大事にしていたとのこと。
そしてあるテレビ番組に出ていた時にこのようなことを言っていました。
「野球が一番上手くなる近道は道具を毎日手入れすること」
一言一句あっているかはわかりませんが、スポーツをしていた方は頷けると思います。
これは野球だけでなく色々なものに当てはめる事ができますよね。
そして今回であれば靴に当てはめることができます。
自分が仕事中に使う物を愛情を込めて手入れをする。大事なことですけど意外と忘れがちですよね。書いている今も沁みています。
話は少しそれましたが、そんなこんなで待ちに待った休日。僕はもちろん靴を買いに靴屋さんへ出かけました。
百貨店の紳士靴エリア。見たことあるものからないものまでよりどりみどり。え、これ10万円するの?なんて靴もありました。
良い革靴は高い…知ってはいましたけど、やはりいざ買おうとなるとビビりますね。一応手に取ってみましたけど。笑
店員さんを捕まえ、予算はこのくらいで、色は黒で…とイメージを伝えたところ、3足候補を出してもらい試着することに。
そこで不思議だったのが、革が非常に硬くてお世辞にもこんなのに価値があるのか?とは思えませんでした。
ですが、そんな疑問をすぐに店員さんは察してお話ししてくれました。
「確かに最初は硬くて履きにくいし馴染むまで時間がかかりますが、徐々に中底が自分の足の形に馴染んできますよ。良い革靴はきちんと手入れをしたら10年は履けますからね」
とのこと。
え、10年?まじすか?10年…てことはもし買った靴が10万円だとしたら単純計算で1年で1万円でいいってこと?なにそれ?
と単純で生きているO型代表(世のO型の皆さんすみません)の僕はその言葉を真に受け入れ試着を続けます。すると店員さんに
「お客様は接客業か何かですか?」とふと聞かれました。
多分どんなお客様にもする質問でしょう。
特に平日に私服で百貨店にくる人は大体は同じような匂いがしたのかもしれません。
「実はお客様に良い靴を履きなさい。と言われたんです。それでちょっと背伸びして買いに来ました」
それを伝えると
「それは素敵なお客様に出会いましたね。ましてやお客様のアドバイスを受けて買いにくるお客様も素晴らしいです」
はいもう心の中で靴の予算上げました。もし10万円の靴はどうですか?と聞かれたら多分買ってました。
そんな無理する気持ちも察してくれたのか10万円の靴は試着せずにすみましたけどね。笑
そんなこんなで色々と靴のことや革について話しながら自分の足にピタっとハマった靴を選んでいました。
「うーんこれもいいなぁ」
「あ、この色色っぽいなぁ」
「すげー!これかっこいい」みたいな感じに。
と悦に浸りながら選ぶこと2時間…1つの靴を選びました。
国産のメーカーが出している黒色で非常に色気のある靴。
値段は5万円。まずはこの辺の価格帯からいくと良いのだとか。まずは…ね。
ついでにクリームやブラシなど靴磨きセットも一緒に買いました。良いものですからねきちんと手入れしなきゃ。
と、こんな感じで僕は高い革靴と出会いました。
そして今回靴を選んでくれた店員さんと仲良くなり、僕が靴を買うのはこの人から。
という感じで今も靴を選んでもらっています。縁とは不思議なものですね。
いざ履いてみるとまあ最初は足が痛い痛い。
当時はランチ営業とディナー営業の両方をしていたので
午前の営業は今までの動きやすい靴で、午後の営業は5万円の靴で、という感じで交互に履き替えながら足に慣らしていました。
きちんと手入れもしながら履き始めて1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年と時間が経ちます。するとどうでしょう。
履けば履くほど、手入れをすればするほど足に馴染むじゃありませんか!
最初は足を入れるのも辛いし足の甲も硬いから痛いし、底も硬いから痛いし…だったものがもう完全にフィット。ジャストフィット。最高です。
履き始めは本当に硬くてすごく痛いんですよね。しゃがむたびに「いててて」とか言いますし。笑
ですが、履き慣れてくるとその革の硬さが妙に心地よくてですね、吸い付くとは言いませんがピタッとくっつくあの感じ…快感。
という感じに至っております。革靴の良さに味をしめた僕はもう一足買い、普段は二足を回しながら使っています。
最初は痛い革靴が馴染んでスッと履けるあの瞬間も好きなんですけど
それよりも靴を手入れする時間がすごく好きなんです。
いつも自分の部屋で手入れをするんですが、ジャズを流しながらカッコつけて磨きます。笑
いつかは履いてみたい憧れのブランド「ベルルッティ」の創業者アレッサンドロ・ベルルッティはシャンパーニュで靴を磨いたと言います。
しかもその銘柄はクリュッグだとかなんとか。ほんまかいな。
実際にベルルッティの人に聞いたところ
最後の仕上げにほんの一滴だけでサッとつま先を磨くんです。艶を出すためにね。
ですって。カッコ良すぎる。
初めて高い皮靴を買ってから今年で7年。もちろん今も現役で履いています。かっこよくて履くたびに見惚れています。
そして履く瞬間に自分のスイッチを入れます。仕事スイッチポチッとな。
「良い革靴はきちんと手入れをしたら10年は履けますからね」
あの時の店員さんの言葉がよくわかります。靴底も何度も変えて履き続けていますが、この靴はきっと10年。そして15年以上も履けるだろうと思います。
確かに最初の投資金額は高いです。いきなり5万円以上の靴を買いなさい。とは強くは言えません。
ですが
革の質、履き心地、自分に気合を入れる瞬間や靴と共に自分を磨く時間。
これに勝る自己投資はなかなかないのかなと思います。
良い革靴を買い、手入れを続ければ10年履けると断言できます。
男性諸君ぜひ高い革靴を買いましょう。そして磨きましょう。
女性もぜひ一足僕に騙されたと思って良い靴を買ってみてください。
男性ほど多く履く機会はないかもしれませんが、履く時気分が高揚すると思います。
最後にアレッサンドロ・ベルルッティの名言を一つ
靴を磨きなさい。そして自分を磨きなさい。
ではまた。
靴磨き。まずはこちらからお試しするのはいかがでしょう?