2022年2月加筆。
どうもサービスマン渡邉司です。 Podcastでもお話ししましたこちらの記事ですが
僕のPodcastでもよく聴かれているらしく改めて加筆しています。
個人的にはサービスマンという言葉を全面に推しているつもりですが、世の中の言葉でひっかる言葉としては
「サービスマン」よりも「ワイン」や「ソムリエ」の方がよく検索されるらしいので
番組名にも強引にワインを入れました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
さて、食材もですがワインにも旬があると思っています。
春はロゼワイン、夏はキリッとした白ワインに同じくロゼワイン、秋になるとボジョレーなどの新酒、そして冬はコクのある白ワインやタンニンのガッツリとした濃ゆい赤ワイン、シャンパン(泡は年中かな?)…みたいな感じで。
お客さまからも「今の時期はこのワインだよね〜」とよく聞きます。やっぱそうよね。
そのため、いろんなお店は季節を感じれるようにメニューや内装や外観を彩ります。
僕らはその季節を感じながらワインや食材を待ちわびます。そしてその四季折々の食材や料理にワインを合わせます。
そんな本日は個人的にも毎年楽しみにしているボージョレ・ヌーヴォーを取り上げます。
ボージョレ・ヌーヴォーでもボジョレー・ヌーヴォーでもどちらでも良いかなとはここだけの話。
でも今回はボージョレ・ヌーヴォーでいきます。
ボージョレ・ヌーヴォーから見るプロフェッショナルとは。
知っている方もいると思いますが、僕の信条は現場第一。基本的に毎日現場に立って営業に携わっています。
最近はマネージメントにも力を入れておりますが、何よりも現場を第一に考えて仕事をしています。
冗談ではなく現場にいないと干からびてしまいます僕。カッピカピです。
で、まず先に書きますと、「プロフェッショナル」の定義って色々あると思うんです。
10人いれば10通りの定義があるわけです。どれが良くてどれが悪いとは思っていません。
それぞれが思うプロフェッショナル。だからこそお店にも個性が出るし選ぶ楽しみがあるのです。
「プロフェッショナルソムリエ」という観点でいえばボトルワインをバンバン売る人、グラスワインをガンガン回せる人、サービスもできる人…などなどたくさん定義があって良いと思っています。
その中で僕個人としては
物をお金にできる。または売れる人こそプロフェッショナル
だと思っています。
物(僕は飲食の人間ですので食関係ですが)だけではありません。
料理も空間も価値も時間も全て売ることができる人が本当のプロフェッショナル。
飲食だけでなく様々な仕事も同じだと思っていて、手に取れる物から、空間や雰囲気などの手に触れることが難しいもの、そしてその物の価値観も。
それらを売ってお金に変えることができるのがプロフェッショナルである。と僕は考えます。
今回はソムリエ=ワインのプロとして書いていますが
この物(ワイン)をお金にできるという意味で一番わかりやすいのはボージョレ・ヌーヴォーだと思います。
毎年のことですが、11月の第3木曜日にボージョレ・ヌーヴォーが解禁しますね。
2020年は新型コロナウイルスの影響か、例年よりも盛り上がりはしてなかったのかなと記憶しています。2021年はそこそこ盛り上がりましたかね?
SNS界隈ではそれなりに盛り上がっていたのかな?ワイン好きの人をフォローをしているから情報が入ってきやすいんですけどね。
しっかし昨年のヌーヴォーも美味しかった。先日も自分で買っておいたボージョレ・ヌーヴォーを飲んだのですが、きっと熟成させても美味しいんだろうなぁ。と思いながら飲みました。
熟成させてないんかい!というツッコミは置いておいてください。笑
ちなみに皆さんは毎年ボージョレ・ヌーヴォーを飲みますか?ボージョレだけでなく他の国の新酒でもなんでも。いわゆる初物を飲みますか?
今のところTwitterで繋がっている方は関係者が多いので飲んでいるという意見の方が多いと思うのですが、どうでしょう?
以前僕は「ボージョレ・ヌーヴォーを初めて飲みました。」という方に出会ったことがありまして。その方はワインが結構好きで、勉強したいな〜って思ってるんです。と言うワイン初心者の方。
何度か関わっていたお店に来てくれて、ワインのお話をしながら色々と飲んでは感想を言ってくれるので
なんだかすごく懐かしい。。。勉強を始めた頃のことを思い出しながら聞いていました。
そしたらなんとその年のボージョレ・ヌーヴォー解禁日はぜひ僕のいるお店で飲みたい。とありがたいお言葉まで頂戴し飲んでいただきました。2020年のボージョレ・ヌーヴォー。
いや〜その姿は今でも目に浮かびます。色や香りを真剣に捉え、一緒に来ていた職場の先輩方と和気藹々と飲む姿を見るのはやはり嬉しいものです。
ちなみに飲んだボージョレ・ヌーヴォーはルー・デュモンのボージョレ・ヌーヴォー。
ブルゴーニュで活躍する日本人醸造家、仲田晃司さんの手がける極上のボージョレ・ヌーヴォーです。僕も大好きな造り手の一人。
初めてでこのヌーヴォーを飲めるなんて実に素敵な出会い方をしたなとニンマリしました。笑
さて、話は変わりまして巷ではよく
「そういえば最近飲んでいないなぁ」
とか
「飲む必要ないよね〜毎年一緒だし」
という声を聞くこともあります。
「あんまり美味しくないじゃないですか」
と思っている方はぜひ一度僕と飲んでみましょう。
絶対に好きにさせます。概念が変わると思います。
多分ですが…笑
さて、そんなボージョレ・ヌーヴォーですが、ソムリエの間でもこんなことを聞くことがあります。
「前は飲んでたけど、今は別にね」
「うーん俺は好きじゃないなぁ」
「飲む必要ないでしょ」
「毎年同じような味だしね」
などなど、理由様々で色々と聞きます。
確かに毎年キャッチコピーは大体同じような感じだし、商業感が出てしまってなんだか真剣に飲むことができないし
むしろ過剰発注による在庫の処理が大変です。なんて声も聞きます。
もちろん色々ありますから、良いんです。飲むのも飲まないのもそれぞれですから。
でもこの発言、ワインの「プロ」であるソムリエが発している発言だとしたら捉え方変わりますよね。
僕はボージョレはワインが苦手な人をワインの沼にハマらせる最高の武器の一つだと思っているので、初めて聞いた時結構衝撃的でした。
敷居が高いと感じさせるワインのハードルを唯一下げてくれるアイテムの一つがボージョレ・ヌーヴォーです。これがきっかけでワインが好きになる人は絶対出てくるはずです。
ワインを好きになってもらう。そしてワインが苦手な人に対して好きになってもらうということは
自分のお客様にできるチャンスでもあるわけです。
そのチャンスを自ら逃してしまう…もったいない。
もちろん、プロだってそれぞれ好みがあるのは当然です。僕だって好きなワインや苦手なワインはもちろんあります。
ですが
プロである以上飲まなくても良いワインなんてありません。
悲しいことに結構いるんですよね。ボージョレとかあんなの飲まなくて良いよ。なんて言うプロの方。
繰り返しますが、好き嫌いはあって当然です。嗜好品ですから。否定しません。
ですが、プロフェッショナルソムリエと名乗るのであれば飲まなくて良いワインなんてあってはなりません。
なぜボージョレ・ヌーヴォーでプロフェッショナルが問われるのか?
それはですね
売りにくいから
これにつきます。ですが売りやすい時期はあります。解禁日周辺はやはり売りやすい。ですがそれ以外は結構難しい。時期をすぎると飲み放題プランの一本に組み込まれるなんて会社もありました。
やはりプロとしてやる以上、ワインは美味しいよ。と消費者にワインへの興味関心や好奇心をくすぐってあげる必要があると思います。
いまだに言われるのが先ほども書きましたが「ワインて難しい」とか「好きなんですけど、全然詳しくなくて」という言葉。
良いんですよ。詳しくなくて。
良いんですよ。好きというだけで。
え、だめですかね?美味しく飲んでもらえるならコンビニワインだろうがセールで買ったワインだろうが良いんですよ。
僕としてはみなさんが美味しく味わってくれるだけで良いんです。楽しく飲んでくれれば良いんです。
そこに生産者の想いとか込められている意味を付け加えるのは求められてから。
もちろん付け加えるための知識は必要ですよ?でも押し付けてはいけない。そこを勘違いしてはいけないのです。
話を戻しまして、「売りにくい」というワインで一番わかりやすいワインがボージョレ・ヌーヴォーなんです。
しかし、一番「売りやすい」のもまた事実。解禁日になればそこそこ関心のある人なら飲んでくれますから。
しかしボージョレ・ヌーヴォーの時期だけ売るのは大体誰でもできます。
冒頭でも書きました。
物をお金にできる。または売れる人こそプロフェッショナル。
在庫として抱えているならきちんとキャッシュに変えるように考えるのが仕事です。売り方、謳い文句、合わせるグラス、料理、シチュエーション…
熟成させるとかは一旦置いておいてね。
どうすれば飲んでもらえるか、喜んでもらえるか、楽しんでもらえるか。ということをひたすら考え続けなくてはいけません。
繰り返し書きますがこれは一個人としての意見ですので、正しいとか正しくないとかはありません。10人いれば10通りの定義があって当然。いいんです。
ですが、プロと言うなら飲まなくて良いワインはありません。全て均等に評価すること。そしてお店に合うとか合わないとかそぎ落とし最適化させていくのです。
さて、みなさんの考えるプロフェッショナルソムリエとはなんでしょうか?
ぜひいろんな意見を聞かせてください。
また、今回加筆修正しましたこのコラム。
ボージョレ・ヌーヴォーに触れて書きましたが、いろんな物に応用が効きますので飲食業以外のみなさんの扱っている商品に置き換えて想像してみても大丈夫です。
では、また。
付加価値の付け方。