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ロゼワインがどうして流行らないのか?

2022年2月14日

春が待ち遠しい。

どうも、サービスマン渡邉司です。今回はソムリエとして書いていきたいと思います。

僕自身春生まれというのもありますが(誕生日は5月1日。プレゼントお待ちしています!)

春眠暁を覚えずと言わんばかりのポカポカした陽気に、外を歩きながら飲む缶ビールの美味しさに、可愛らしいピンク色をした桜。

花は散り際が一番美しいなんて言いますよね。そうだと思います。

なぜかわかりませんが新しいことを始めるにも春ってすごく良い季節な気がします。

そんな春ですが

ロゼワインがとても売りやすい季節でもありますね。

美味しいとは常に思っているので、春だからロゼが美味しいよね。なんてことは言いませんが

春だからロゼが売れるよね。という気持ちはわかります。やはりその色合いもあって売りやすいのは春。

そんな意識がインポーターやソムリエの中にあるのでしょう。

ですが、僕はこの

春だからロゼという図式が非常に嫌いなんですよね。

強めに嫌いと言わせてください。警告も兼ねて。

誤解されたくないので先に書きますが、一般的な飲み手の意識として「春=ロゼ」というのはもちろんOKです。

世のショップなどはそうやって売り出していますからね。裏を返せばそうしなくては売れないということにもなるのですが…。

僕自身、レストランでワインのセレクトをしている際に、ロゼワインをグラスで5種類以上オンリストし

フレンチのフルコース(だいたい10皿程度)で全てロゼワインのペアリングをするという変態ぶりを発揮した身として言いたいのですが

どうしてもっとロゼワインを売ることができないのか?

と常々思っています。売れない事情は抜きにして。

確かにロゼワインが流行ったとされる時代は少し甘口のロゼワインが流行っていたし、その年代人たちが

ロゼは甘いから嫌だ

と言って敬遠している理由はわかります。

ですが、それなりに調べれば情報もたくさん出てくる昨今なら、甘い味わいのロゼワインだけではないのはすぐにわかるはず。

僕は基本的に「お客様を育てる」というのも仕事である。とも思っているので今回のロゼワインにしてもそうで

お客様にもっとロゼワインを飲んでもらうためにどうすればいいのか?を僕なりに書いてみようかと思います。

大変長い前置きになりましたが本日は

ロゼワインがどうして流行らないのか?

です。

さて、ロゼワインと聞いて思い浮かべるのは先ほども書いた通り

甘い

というイメージでしょう。非常によくわかります。

僕もワインを勉強し始めた時はずっとそう思っていました。ロゼワインは甘いからワインが苦手な人が飲むワインだと。

それが今ではロゼワインだけのペアリングを提案したり、ワインリストにあるうちの半分以上をロゼワインにするほどロゼワインの美味しさに気づいてしまったのです。

どうして世の中の人はロゼワインを飲まないのだろう…オススメすれば飲んでもらえるのに。

どうすればもっとたくさんの人に飲んでもらえるのだろう。楽しんでもらえるのだろう。

と考えた結果行き着いたのが

ロゼワインは味の分別を伝えるのが非常に難しい

ということなのかなと。

例えば白ワインなら

スッキリとした味わいの白ワイン

樽の効いた味の濃い白ワイン

など違いが明確に伝えられます。もちろん飲み心地も。

これが赤ワインなら

渋味の少ない軽い赤ワイン

タンニンギシギシのフルボディな赤ワイン

とこちらも違いが明確に伝えられます。

ですがロゼワインになるとどうでしょう?

甘口は置いておいて

ほとんどのロゼワインを説明するときに似たような説明しか出来ないことがあります。

例えば

スッキリしている

とか

さっぱりとしている

飲みやすい

軽くて爽やか

みたいな。

もちろん樽を効かせたロゼだってあるし、もっと個性豊かなのはいうまでもないんですけど

どうしても似たような味わいの表現になってしまっているソムリエを多く見かけます。

確かに試飲会に行ってもロゼワインを飲む機会は少ないかもしれないな。

と思う反面それではいけない。とも思う訳です。

だってワインのプロであるソムリエがおすすめ出来なければお客様は飲もうと思わないですからね。

ただでさえ今は外食もまともにできない世の中ですから

お金払って飲んで美味しくなかった。好みではなかった。

と言いたくないですしね。僕だってそうです。外食に行って失敗はしたくありません。

飲んだことないワインに同じ金額を払うなら

なんとなくでもイメージのつく赤ワインや白ワインにした方が賢明だと思います。

でもそれではいけないと思いますし、せっかくなら新しい発見や楽しさを見つけてもらうお手伝いをするのも我々ソムリエの仕事だし

もっと言えばソムリエである前に一人のサービスマンです。お客様を喜ばせてなんぼの世界です。

そのために日々勉強し、ワインを飲み、料理を食べて想像力を掻き立てて営業するのです。

では

どうすればロゼワインの味の分別ができるようになるのか?

と聞かれたら答えは一つ

飲むしかない

これに尽きます。笑

笑。なんて付けてますけど、実際そうで、やはり量と種類飲まなくては説明することはできません。

本当ならもっと的確な答えを見つけようと思ったりしたのですが、やはり

飲むしかない

という答えに行き着きます。

ですがただ飲めば良い。のではなくて

いろんな種類のグラスを試してみるとか

温度も気にしてみるとか

開けてからの日数と状態を感じるとか

様々な方向から見て考えなければなりません。

以前書いたボージョレ・ヌーヴォーの記事でも書きました。

物をお金に変えることができる人こそがプロフェッショナル

これを頭に入れて働いて欲しいなと

イチ同業者として、イチお客様としてもっと業界が盛り上がって

そしてお客様を育てる人材が増えてくれたら嬉しいです。

では、今週はここまで。

また来週、お楽しみに!

ロゼ泡から入るのもいいよね〜

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渡邉司(Watanabe Tsukasa)

銀座、西麻布などのレストランにてマネージメント業務やソムリエ経験を生かし、レストラン経営コンサルタントとして独立。 現場に立ちながら他会社のワインリストの作成やスタッフ教育など人材育成にも力をいれる。 芸能人のマネージャー経験もある変わり者。 J.S.A.認定ソムリエ、HRS協会認定西洋料理テーブルマナー講師

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