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不器用のススメ

器用な人が羨ましい。

どうも、サービスマン渡邉司です。

以前書きましたコンプレックスの記事を読んでいただけると分かるように

自他ともに認めるスーパー不器用な人間である僕でございます。

 

弱点は強みにもなるんだ!!多分!!

今日までの日々でどれだけ器用だったら良かったのに…と思うことがたくさんで

人間関係もそうだし、何か新しい技術を身につけるときもそうだし、段取りを組むときもそう。

スルスルっといろんなことがすぐにできるタイプではなかったので

「容量が悪いな」

「センスないな」

「どうして出来ないの?」

などたくさんの言葉を浴びながら仕事をしてきたのです。胃が痛い。

ですが、この年になってと言いますか、今の立場になって思うことが

不器用で良かった

と思っています。

理由は簡単

できない人の気持ちがわかるから。

これに尽きるかなと。

僕は思うんです。

本当に不器用な人というのは、できない人の理由が分かる人である。

と。引き出しが多いとでも言うのでしょうか。

もちろん一概には言えませんが、多分概ね合っているのかなと思います。

僕はサービスマン、ソムリエとして生きていくと決意した時にはすでに一つのお店を任される立場にいました。

と言うか半ば強制的にそうなってしまったんですね。それで自分のことながら恥ずかしいのですが、ワインのことなんてほとんどわかっていなかったんです。(今もですが)

どういうワインが酸化しているのかも感じれませんでしたし、ブショネももちろんわからなかったですし、サービスなんてニコニコしていればいい。とすら思っていました。

スパークリングワインの泡の量とか注ぎ方とか全く関心がなかった…というかよくわかっていませんでしたしね。

どうすれば人に喜んでもらえるのか?どうすればワインを上手に選べるのか?どうやって料理と合わせるのか?

それが全くわからなかったんです。

当然ソムリエナイフを扱うのも下手くそで、古いワインでもないのにコルクを折ることもしばしば。それも営業中にです。

バイトで入っていた若い子の方がうまく抜栓していたと思います。笑

「司は本当に不器用だね」なんてよく言われていました。自分が不器用だ。ということは元々わかってはいましたけど、やはり言われ続けると辛いものがあります。

当時一緒に働いていた料理人たちとの関係も良くありませんでしたから、しょっちゅう怒鳴られましたし、テンパってオーダーミスもたくさんしましたし、お客様からたくさんお叱りを受けることもありました。

深夜まで働いていたこともあって生活リズムもぐっちゃぐちゃでしたし、ストレスでご飯が食べられず栄養失調にもなりましたし、睡眠薬を飲んでもカウンセリングを受けても眠れない日々を過ごしていました。

それでも仕事中はニコニコしながらお客様と接することができていたのは多分この仕事が天職だったのでしょう。

当時のお客様にそれを伝えると「全く気づかなかった」と言っていたので、とりあえずニコニコする。それは数少ない誇れる特技?です。

とは言っても仕事ですから、どうすればワインがわかるようになるのか、人に喜んでもらえるのか、怒られないで先読みして仕事ができるのかずっと考えていました。

深夜みんなが帰って一人で後片付けしている時に無意識に涙が出てきた時は「あ、さすがにやばいな」と思ったものです。笑

近くのバーの店長さんに泣きながら相談したこともありますし、他にもいろんな人に助けてもらったのは今でも忘れることができません。

ここだけの話、ワインと料理の勉強のためにウン百万近く借金をしてワインを飲んでご飯を食べて色々なことを体験して失敗して学んだものです。

それだけでなく他のお酒や良い空間とは何か?と言うことも身銭を切って休みなく働き学んでいました。

あの時のお金を全て貯金してきちんと運用していれば多分家が普通に建てれるくらい貯まっていたでしょう。

それくらいこの仕事に文字通り「命」をかけていました。

だからこそ今がある。と言うのは結果良かったなと自分で思うことができるからであって、他人には絶対におすすめしません。

借金全部キャッシュで渡すからその代わりに僕自身を買いたい。なんて人もいたくらいですから。危ない状況にいたものです。笑

実はちょっと心が揺れたのもここだけの秘密です。追い込まれていましたね〜。笑

そんな自己投資のおかげなのか、今ではありがたいことにそれなりのお仕事をさせてもらえますのでやってみるものだなぁ。と思いますが、先ほども書いた通りおすすめしません。

ですが、そのおかげで

できない人の気持ちがわかるようになりました。

簡単に思われますが、実はこれ非常に難しい。

よく聞くじゃないですか。

「自分も昔はできなかったからできない人の気持ちはわかる」

とか

「自分も不器用だった」

などと。

でもそんな人たちが人を指導したり上の立場になると

なぜか指導ができない人になっているのです。

そこに僕は昔から疑問を思っていました。

と言うか多分僕も元々は指導ができない人でした。

みんながみんなやればできると思ったのです。

かつて自分がそうであったように。

ですが、そうではないのです。

同じ人間が二人といないように、一人一人に合わせた指導のやり方や伝え方、コミュニケーションの取り方をカスタマイズしなくてはいけないのです。

そして色々と指導をする立場になったり、様々な経営者とお話をしたり仕事をしている時に気づいたのです。

自分のことが不器用だと言っている人の多くは、本当は不器用ではない

と。あくまで僕の中でですが。

個人の感覚で申し訳ないのですが、不器用のど真ん中をいく僕は

どうしてできるようになったのか?

と求められたらそのプロセスをほぼ全て説明できます。

野球では投手だったので、例えば変化球を投げる時にボールをどのようにして握って、どのように投げるのか?

仕事ではお客様の気持ちを汲むためにどこに気を配るのか?

モテるためにどうすればいいのか…これはまた違う話ですけどね。笑

お客様のどこを見ているのか?などなど。それが全て正解ではもちろんないのですが、どうすれば正解に近い答え=お客様の満足に繋がるのか?と言うことは多分お話できます。

反対にどうしてできないのか?できなかったのか?と言うことも求められたら説明ができます。なぜならベースができない人間だから…。

自分のことながら恥ずかしいんですけどね。笑

なので人がつまづくポイントやタイミングは一緒に働いてコミュニケーションが取れればある程度はわかると思います。

それを聞いてうまく指導するように導くのがマネージメントの一つでもあるのですが、それができない人が非常に多い。

名選手名監督にあらず。と言う言葉がありますが、まさにその通りで、スポーツに限らず企業の人材育成にも使える言葉だと思います。

人が定着しない企業やお店の上に立つ人はこの言葉がぴったりと当てはまります。

現場に出て働くプレーヤーとしては非常に優秀でも、マネージメントする立場になれば話は別。

なぜなら自分は出来てしまうから。

本当に不器用でそこからできるようになったのであれば、出来ない理由、出来る理由が説明することができますし、それを咀嚼して誰かに伝えることができるはずです。

それができない人は不器用ではない。とあえて強めに言い切らせてください。笑

もちろん教えるのが苦手な人もいますからね。その辺はいい感じに受け取ってください。

イチロー選手は「自分は天才ではありません。どうしてヒットを打てるかと理由を説明できるから」と言っています。

まさにこの通りで

理由、プロセスが説明できると言うことは咀嚼して落とし込んでいると言うことだと思います。

例えば僕らのサービスの業界ってわかりやすいのですが、下の世代が本当に育っていないんですね。

圧倒的な指導の時間もないですし、指導力に優れた人間がいないからです。

自分一人がスターであればいい(そんな人だけではありませんが)という風潮が当たり前で

自分が一つのお店を離れて他のお店に行けばお客様が次の新しいお店についてくる。もちろん素晴らしいことです。

それだけその人に魅力があるわけですからね。サービスマン冥利につきます。

ですが、前にいたお店にも通い続けてもらいながら新しいお店にも来てもらう。これを続けることが理想ではないのかな。と思います。

そのためには自分一人だけではなく、組織全体のレベルアップ、スタッフ一人一人の魅力を伝えられるように人を育てなくてはいけないのかなと思います。

それを今僕は重点的にしています。組織の潤滑油にもなっています。

これも自分が良くも悪くもあまり良い人に恵まれなかったからなのかなと。

もちろん全ての経験に感謝しています。だからこそこうやって発信できるわけです。

どんな人でも必ず良いところがあって、必ず光る部分があります。

それを引き出してあげるのがこの業界を盛り上げる一つの光なのではないかなと思います。

では、今週はここまで。

あ、お仕事の依頼もお待ちしています。笑

この会社のシステムは本当にすごい。

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渡邉司(Watanabe Tsukasa)

銀座、西麻布などのレストランにてマネージメント業務やソムリエ経験を生かし、レストラン経営コンサルタントとして独立。 現場に立ちながら他会社のワインリストの作成やスタッフ教育など人材育成にも力をいれる。 芸能人のマネージャー経験もある変わり者。 HRS協会認定西洋料理テーブルマナー講師

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